こんにちは、新潟の社会保険労務士「越後の虎」です。今日のコラムは「教えて!退職金制度」、です。

ある保険会社の営業マンの方から、顧客の退職金制度について教えて欲しいことがある、ということで問い合わせがありました。内容についてき聞いてみると、「このままでは退職金が2倍になってしまう!」ということです。

一体何が起こったのでしょうか?

まずはコチラをチェック!→人気ブログランキングへ
皆さん、いつも応援ありがとうございます!
今回の事例の会社では退職金規定にて退職金制度について規定していました。勤続年数に応じて退職金額が決まるオーソドックスな内容です。

また、退職金の積立に関しては適格退職年金にて実施。退職時にはまず適格退職年金から退職金が支払われ、退職金規程の額に対し不足があれば、残りを会社が支払うという制度にしていたようです。

このような退職金制度は一般的な方法であり、特に問題はなさそうに思えました。しかし、問題は従業員のこの一言からはじまったそうです。

「なるほど、退職金は就業規則と適格退職年金からそれぞれ払われるんですね?」

退職金規程(就業規則)には、「まず適格退職年金から退職金が支払われ、不足分を別途会社で支給する」という内容が規定されていませんでした。その結果、適格退職年金は退職金規程よる退職金への「上乗せ」と思ったんですね。

適格退職年金での積立を想定して、勤続42年で800万円程度の退職金を支払うよう、退職金規程に規定していました。しかし、適格退職年金を上乗せとすれば、適格退職年金から支払われる約800万円とは別に800万円を支払う必要があります。つまり、「2倍の1600万円を支払うことになってしまう」ということです。

そして、退職を間近に控える従業員数人と退職金の金額に関して、論争になったようです。会社から見れば「2倍の支払」となるわけですが、従業員からすれば「退職金が半分になってしまう」わけですから、これは大変なことです。

一般的には、争いになった場合、退職金規程に適格退職年金が退職金の一部であるということが規定されていないければ、上乗せと判断される可能が高いと言われています。よって会社には不利な状況です。

ただ、不幸中の幸いと言いますか、この会社は業績が思わしくなく、その状況を従業員も知っていましたので、社長さまが全ての経緯を従業員に説明した結果、丸く収まったそうです。

退職金を中退共や適格退職年金などで積立てている企業様、積立金が「退職金の全部または一部」であることをきちんと規定していますか?