2006年03月02日
何故ボーナスを払わないといけないんだ/モデル就業規則の恐怖
今日は「モデル就業規則の恐怖」、です。
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「どうしてボーナスを払わないとといけないんだ!」と言っても後のまつりです。
この会社では毎年7月10日にボーナスを払っていましたが、今年はどうなるんでしょうか。
「佐藤君、子供が大きくなるとお金がかかるだろう」
「課長、よくわかりますね。その通りですよ」
「奥さんも働いているんだっけ」
「そうなんですが、それでも足りなくて、ボーナス一括払いでよく買い物しますね」
「そうなのか。でも今回はボーナスでないみたいだぞ」
「そんな!困ります。クレジットはどうなるんですか」
「まあ、会社が決めることだからね。そう言われても困るよ」
「ボーナスは毎年払うって規則にあったじゃないですか」
「えっ、そうだっけ・・・」 *佐藤さんは仮名です。
就業規則など会社の規定は、一回作ってしまうとそれで安心して、そのまま放置されることがよくあります。この会社でも創業以来ほとんどそのままの状態となっていました。今回焦点となっているのはボーナス(賞与)について、この会社の規定では次のように記載されていました。
第32条
1. 賞与は、原則として支給日に在籍する従業員に対し、会社の業績等を勘案して 7月10日及び12月10日に支給する。
2. 前項の賞与の額は、会社の業績及び従業員の勤務成績などを考慮して各人ごとに決定する。
どうでしょうか。佐藤さんは賞与をもらえるでしょうか。少なくとも争いになったら会社に分が悪いのは明白です。就業規則の中に「支給する」とだけ記載され、「支給しない場合がある」という文言がありません。高度成長期には賞与の支給は金額は別にしても支払うのが当たり前。その時の規定をそのままにしたツケですね。
「賞与の支払やその金額については会社で自由に決定できる」そのように解釈していうる経営者様は多いと思います。そのこと自体は間違っていません。しかし、会社が自由にできるはずが「就業規則によって自らその自由を束縛している」会社が多くありますので、注意が必要です。
ただ、「賞与の計算と支払額について、会社がその都度決定する」このような記載でもダメですね。自由にできることは良いのですが、賞与を支払う効果が少ないでしょう。折角支給するのであれば、会社の業績、個人の功績を加味すべきでしょう。また、その基準も明らかにしないといけません。金額に不満が出るようでは「いくら賞与を支払っても従業員が頑張ろうとは思えない」からです。
今回の事例ですが佐藤さんはどうなるんでしょうか。クレジットが未払いになったら大変なことです。他にも賞与を生活費の一部として予定している人も多くいます。生活の基盤が揺らいだ状態では、まともに働けません。このようなことが起こらないようにするためにも、賞与支給の有無についてはきちんと規定すべきですね。
何度も言うようですが、賃金制度では「最低限必要な生計費は保証すべき」だと考えます。従業員が安心して働けるようにする為です。賞与が出ないと生活が維持できないような賃金制度は避けるべきでしょう。逆にそのような場合は生計費として一定の賞与は支給したほうが良いでしょう。もちろん贅沢な暮らしを望む社員に合わせる必要はありませんが。
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社会保険労務士 越後の虎 プロフィール
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「そんな!困ります。クレジットはどうなるんですか」
「まあ、会社が決めることだからね。そう言われても困るよ」
「ボーナスは毎年払うって規則にあったじゃないですか」
「えっ、そうだっけ・・・」 *佐藤さんは仮名です。
就業規則など会社の規定は、一回作ってしまうとそれで安心して、そのまま放置されることがよくあります。この会社でも創業以来ほとんどそのままの状態となっていました。今回焦点となっているのはボーナス(賞与)について、この会社の規定では次のように記載されていました。
第32条
1. 賞与は、原則として支給日に在籍する従業員に対し、会社の業績等を勘案して 7月10日及び12月10日に支給する。
2. 前項の賞与の額は、会社の業績及び従業員の勤務成績などを考慮して各人ごとに決定する。
どうでしょうか。佐藤さんは賞与をもらえるでしょうか。少なくとも争いになったら会社に分が悪いのは明白です。就業規則の中に「支給する」とだけ記載され、「支給しない場合がある」という文言がありません。高度成長期には賞与の支給は金額は別にしても支払うのが当たり前。その時の規定をそのままにしたツケですね。
「賞与の支払やその金額については会社で自由に決定できる」そのように解釈していうる経営者様は多いと思います。そのこと自体は間違っていません。しかし、会社が自由にできるはずが「就業規則によって自らその自由を束縛している」会社が多くありますので、注意が必要です。
ただ、「賞与の計算と支払額について、会社がその都度決定する」このような記載でもダメですね。自由にできることは良いのですが、賞与を支払う効果が少ないでしょう。折角支給するのであれば、会社の業績、個人の功績を加味すべきでしょう。また、その基準も明らかにしないといけません。金額に不満が出るようでは「いくら賞与を支払っても従業員が頑張ろうとは思えない」からです。
今回の事例ですが佐藤さんはどうなるんでしょうか。クレジットが未払いになったら大変なことです。他にも賞与を生活費の一部として予定している人も多くいます。生活の基盤が揺らいだ状態では、まともに働けません。このようなことが起こらないようにするためにも、賞与支給の有無についてはきちんと規定すべきですね。
何度も言うようですが、賃金制度では「最低限必要な生計費は保証すべき」だと考えます。従業員が安心して働けるようにする為です。賞与が出ないと生活が維持できないような賃金制度は避けるべきでしょう。逆にそのような場合は生計費として一定の賞与は支給したほうが良いでしょう。もちろん贅沢な暮らしを望む社員に合わせる必要はありませんが。
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コメント一覧
1. Posted by
あゆみ
2006年03月02日 14:27
就業規則で記載してしまうと
そんな落とし穴が・・
ちなみにうちはずっと賞与を払わない体制です。その分、給料がいいので・・
でもその場合でも就業規則の賞与に何かしらの記載は必要になるのでしょうか??
有給も繰越2年はしないとダメとか本に書いてあったけど本当なのでしょうか。
細かい規定にいまだに戸惑いがちです。
そんな落とし穴が・・
ちなみにうちはずっと賞与を払わない体制です。その分、給料がいいので・・
でもその場合でも就業規則の賞与に何かしらの記載は必要になるのでしょうか??
有給も繰越2年はしないとダメとか本に書いてあったけど本当なのでしょうか。
細かい規定にいまだに戸惑いがちです。
2. Posted by
社会保険労務士(補助者)の事件簿
2006年03月02日 23:16
就業規則は本当に大事ですよね!
新島先生が言われるように、昔のツケが今になってまわってきている会社は多いですね…! カチッ。
新島先生が言われるように、昔のツケが今になってまわってきている会社は多いですね…! カチッ。
3. Posted by 社労士「越後の虎が斬る」
2006年03月03日 00:00
あゆみ様
簡単ですが、回答させて頂きます。
1.賞与の記載
今まで支払実績がなく、今後も賞与を支払わないのであれば敢えて記載する必要はありません。もちろん「賞与は支払わない」と規定すれば完璧ですが。
2.有給休暇の繰越について
おっしゃる通り有給休暇の時効は2年です。付与された年度の消化できなかった分は翌年に繰り越されます。最近では退職時に残存日数の付与を求めるなど、トラブルが増加していますので、要注意ですね。
簡単ですが、回答させて頂きます。
1.賞与の記載
今まで支払実績がなく、今後も賞与を支払わないのであれば敢えて記載する必要はありません。もちろん「賞与は支払わない」と規定すれば完璧ですが。
2.有給休暇の繰越について
おっしゃる通り有給休暇の時効は2年です。付与された年度の消化できなかった分は翌年に繰り越されます。最近では退職時に残存日数の付与を求めるなど、トラブルが増加していますので、要注意ですね。
4. Posted by 社労士「越後の虎が斬る」
2006年03月03日 00:02
社会保険労務士 “K”様
コメントありがとうございました。就業規則を軽く見ている経営者様もまだ多いようで、心配ですね。
コメントありがとうございました。就業規則を軽く見ている経営者様もまだ多いようで、心配ですね。
5. Posted by あゆみ
2006年03月03日 01:01
レスありがとうございま〜す!
やはり就業規則というものは
ちゃんとしないとダメなんだと実感。
虎さんのおかげですごく勉強になりました。分からない事だらけで
教えてもらう事ばかりかもしれませんが・・・よろしくお願いします☆
とはいいつつもまだ勉強中。
今年の合格率はどうなることやら・・
やはり就業規則というものは
ちゃんとしないとダメなんだと実感。
虎さんのおかげですごく勉強になりました。分からない事だらけで
教えてもらう事ばかりかもしれませんが・・・よろしくお願いします☆
とはいいつつもまだ勉強中。
今年の合格率はどうなることやら・・
6. Posted by 社労士「越後の虎」
2006年03月03日 12:23
あゆみ様
資格試験の勉強、頑張って下さい。
資格試験の勉強、頑張って下さい。










