新潟市中央区の社会保険労務士、労働法、就業規則、懲戒解雇の相談室

2006年02月18日

いったいどっちの味方?退職金制度改定に不可欠なモノ

今日は「教えて!退職金制度」、若干辛口かもしれません。

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「先生は一体どっちの味方なんですか?」退職金制度改定のアドバイス中に言われたのですが・・・

退職金制度改定をする場合、良いことではないのですが、やむを得ず退職金の金額を減額する改定を行う場合があります。というよりもこれからは多くなるでしょう。何故ならば退職金の原資が不足する場合追加でお金を出すが、退職金を減らすか、選択肢は2つに1つです。体力のない会社はどうしても退職金を減らす方向で話が進むでしょう。

今回のお話も退職金の金額を減らす改定を行った際の話です。

「既得権を保護する、将来分も一方的に減らすことはできない、厳しいですね」
「一方的な不利益変更は認められません」
「現在の退職金規定を説明したら、ヤブヘビになりませんか」
「誤魔化すほうがよっぽど危険です」
「経営状況の開示なんて、そこまでする必要ないでしょう」
「根拠を示さないで退職金を減らすのは合理的とは言えません」
「何で従業員のために、そこまでするんですか。先生は一体とっちの味方なんですか」

確かに話の表面だけみれば従業員を保護しようとしていると思われるかもしれません。でも、考えて見て下さい。従業員の本来持っている権利を侵害すると将来どのようなことになるか。今は昔のように「嫌なことがあってもじっと耐える」人は少なくなっています。情報が豊富になり、自らの権利を知り、それを主張する手段も持ち合わせています。会社を辞めるのであれば、言わば「後腐れのない状態」です。不満が一気に噴出することも少なくありません。

私は会社の将来を考え、会社の負担を減らすだけでなく、会社のリスクも少なくなるように意見を言いました。これを単純に「従業員の味方」とされるのは心外ですね。それに会社のやりたいようにやるだけであれば、コンサルタントは不要です。高いお金を出して「イエスマン」を呼んでも意味がないと思います。某建築士のように、相手のいいなりになって、結果的に相手に損害を与えるようなことはあってはならないと考えます。

それに何と言っても「従業員のヤル気を削ぐ」「会社の求心力を大きく低下させる」ような改定は成功しないと思います。会社を支えているのは従業員です。仮に無理矢理同意をとって多額の退職金を一方的に減らしたとします。このような会社で一生懸命に頑張ろうと思うでしょうか。将来会社が発展していくでしょうか。

結果としてこの会社での退職金制度改定はスムーズに終わりました。退職金の金額は残念ながら大きく減額する改定となりましたが、従業員から一定の理解も得て、きちんと「個別同意」をとることもできました。それは社長が従業員ときちんと向き合い、財務内容や退職金規定など必要な情報をきちんと公開し、従業員に対し一定の権利も認めたからです。

退職金制度の改定に不可欠なこと、それは「合理的な理由」「正しいプロセス」です。

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■労働法を斬る■
教えて退職金制度(56)どうする?残業問題(35)
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社会保険労務士 越後の虎 プロフィール

srniijima at 11:57コメント(3)トラックバック(1) この記事をクリップ!
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1. 退職金制度の相談室へようこそ  [ 教えて!退職金制度 ]   2006年03月08日 19:03
はじめまして、退職金コンサルタントの「新島 哲(にいじまさとる)」と申します。このサイトでは私のビジネスブログ「越後の虎が斬る」で好評頂いておりました「教えて!退職金制度」のコラムを再編集して公開しています。 「越後の虎」が斬るにおいては既に60を超える退...

コメント一覧

1. Posted by kirilltm   2006年02月18日 17:59
「越後の虎」様

今回の記事、心から賛同します。
コンサルタントとしての基本スタンスは、「会社の存続と成長のため」が第一義的にくるべきですが、ややもするとそのことが経営者にわかってもらえないケースもありますよね。
お互いにがんばってまいりましょう。
2. Posted by 社労士「越後の虎」   2006年02月18日 18:41
心強いコメント、ありがとうございます。これからも頑張ります。
3. Posted by YK@見習い   2006年02月22日 19:16
僕も先生のおっしゃることに同意いたします。

何がその会社にとって、
最善であるかを考えることが、
一番大切なのですね。

もっとも、目先の金勘定しか
できない経営者も残念ながら、
結構多いような……。

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