今日は「社員の採用」についてお話しします。直接労働法とは関係ありませんが、良い事例でしたので忘れないうちにと思いまして。

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「簿記1級を持っているので必ず役に立ちます」、果たして、この人は本当に役に立ったのでしょうか。

ある会社で経理担当の社員が辞めました。この社員はまだ20代ですが、高校を出てからずっと経理の仕事をしており、この人に任せておけばまず大丈夫というレベルでした。大きな会社であればフォローする人がいるでしょう。ただ、この会社は社員25名の会社です。問題なく、辞めた経理担当者の代わりを勤められるひとはいませんでした。

そこで、新たに社員を雇うことにしました。ハローワークに求人広告を出し、数名の応募があり面接をしました。そして人事担当者が選んだのは「簿記1級」「経理経験あり」という経歴の方。この人であれば経験・知識ともに申し分ない、ということで採用に踏み切りました。

これでひと安心と思ったこの会社。しかし、この方は会社になじめず、入社から2週間で辞めてしまいました。この方は何故辞めたんでしょうか。この方は「マニュアルに沿ったやり方」しかできなかったんです。簿記1級、経理の経験といっても実は小口現金の出納や現金出納帳の作成程度の経験だったようです。それに、「こうあるべきだ」という正論ばかり。会社のやり方に合わせようとしません。これではうまくいくわけありません。

それに何といっても問題だったのは「経理の仕事しかやろうとしなかった」ことです。この規模の会社であれば、社員はある程度何でも屋となる必要があります。人数が少ないのに「私はこれしかやらない」となったら会社は回りません。でも「私は経理の仕事をすると聞いたから入ったんです」という反論ばかり。協調性も欠けるようでした。

ここまで言いますと、この「簿記1級」を持っている方が悪者みたいですが、一番の問題は採用を決めた人事担当者です。簿記1級と言ってもあくまでも試験に受かっただけでいわば「ぺーバードライバー」だったことが見抜けませんでした。どの程度のレベルかどうか、面接時に把握する方法はいくらでもあったはずです。それに協調性の問題や業務の範囲について。この点に関しても面接で触れるべきでした。

面接では書類に書いていない本当の姿を如何に引き出せるか、ということが大切になってくると思います。応募者の人柄を全て知ることは不可能です。しかし、本人がどのようなスキルを持っているか。どのような意識で仕事をしようとしているのか。これらの判断材料はいくらでもあります。

この会社では新しい経理担当者を採用するまで、この後約1ヶ月を要しました。その間不慣れな人事担当者が兼務し、人事総務業務がボロボロになりました。採用時にきちんと見極めをしなかったために、「簿記1級」の方を教育する時間や人件費、ボロボロになった人事総務業務など多くの犠牲をはらうことになりました。

皆さんの会社では、採用面接はどのように実施していますか。面談者の主観だけに頼っていませんか。書類上の経歴を鵜呑みにしていませんか。今回の事例の会社のようにならないよう注意しましょう。それに何と言っても雇うのは簡単ですが、解雇するのは大変です。今回の事例では本人が辞めたいと言ってきたようでしたので、事無きをえましたが。

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