今日は「教えて!退職金制度」、退職金制度を廃止し、全員前払い退職金制度に移行した事例を紹介します。

報道によりますと、日興コーディアルグループと傘下の日興コーディアル証券は、現行の退職金、年金制度を廃止し、積立分を毎月の給与に上乗せして払う「退職金前払い制度」を来年4月から全社員対象に導入するそうです。既存の積立金を一時金として支給し将来分を前払いに移行するそうです。全員が対象ということですので、まさに退職金制度を廃止するということですね。

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退職金の前払い制度と言えば松下電器が有名です。しかし松下の場合は従来の退職金制度との選択制となっており、退職金制度の完全な廃止ではありませんでした。今回の日興グループでは全員退職金の前払い制度を適用するということですので、著名な企業の中では珍しい事例だと思います。

前払い退職金制度は運用リスクがない、運営コストがかからないという理由で採用を検討する場合が多いようです。また、前払いするということは手取金額が増えることにもなりますので、中途採用の際には有利にはたらくこともあるでしょう。

従業員によってライフプランは様々です。可処分所得のことを考えると、子供が独立しているであろう60歳時に退職金をもらうより、出費がかさむ今お金を欲しいという人もいるでしょう。そのような人には退職金の前払いはうってつけですね。

ただ、このブログでも何回が触れましたが、従業員にとって前払い退職金は通常の給与と同様に社会保険料がかかりますし、所得税も給与同様に源泉徴収されますのでコスト増となります。会社としても制度維持にかかる費用がなくなりますが、社会保険料が増加することとなります。よってコストということで考えれば前払い退職金制度は従来の退職金制度と比べて特に安くなるというわけではないですね。

以上の通り、前払い退職金制度にはメリットもデメリットもありますので、会社方針と照らし合わせてよく検討する必要があるでしょう。従業員に喜んで貰うということを考えるのであれば、私は退職金と前払い退職金と選択する退職金制度が良いと思います。人によってライフプランは様々ですので。

最後に既存の退職金制度から前払いに移行するときには予定利率に注意しましょう。前払いの金額を決めるときにターゲットにする退職金額と予定利率を決めることが多いと思います。この際の予定利率を高くしすぎると問題となります。運用は簡単ではありませんので高すぎる予定利率では絵に描いた餅となりかねません。

そして後からカラクリに気づいた社員から指摘されトラブルになりかねません。この部分はきちんと説明して同意を得るべきでよう。一般的には従来の退職金制度のもとで受け取れる金額よりも少なくなることが多くなりますので、そのことをキチンと説明すべきです。

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