今日は創業間もないある企業での話を紹介します。役員2人、社員2人の小さな会社です。

「もし従業員に残業させているのであれば36協定の締結と届出を労働法規で規定しています」
「そうなんですか、知りませんでした。でも、実は残業代を支払っていないんです。というよりも払えないんです」

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もちろん、労働法規で残業代の支払は義務付けられていますのでサービス残業が違法であることは言うまでもありません。ただ、創業間もなく売上もまだ振るわず、資金繰り的に苦しいという状況は理解できます。もちろん労働法規に反した現状を肯定するわけではありません。しかし次の言葉を聞いたときに、愕然としました。

「経営リスクに備えてなにか対策をされていますか」
「特に考えていることはありませんが、経営者保険には加入していますよ」

そうなんです、経営者保険に資金をつぎ込んでいるんです。この掛金は従業員の残業代を支払うのに十分な額でした。従業員の残業代は支払わないで、その分?のお金を保険に使っているんです。これは同情の余地なしですね。社長にその意識がなくても、従業員からすれば「払えない」ではなくて「払いたくない」と言われても仕方ない状況です。死亡補償や退職金積立よりも労働法規を遵守することの方が大切なのは言うまでもありません。

ただ、社長さんにしてみれば創業の時に助言を受けたコンサルタントに進められて保険に加入したようで、このようなことになるとは想像していなかったようです。コンサルタントも必要なリスクに備えるということで勧めたのかもしれませんが、いささか早計だったようです。創業期ではまず資金繰りの問題が大きいということをもっと考えるべきでした。もう少し様子を見てから勧めるべきです。

このコンサルタントは残念ながら自分の商売の範囲でしか相手にアドバイスしなかったようですね。確かに必ずしも間違ったことを言ったわけではありませんが、会社に必要なアドバイスは状況によって様々です。一般論だけで相手に勧めるべきではありません。

もちろん、このコンサルタントの話を鵜呑みにした社長さんにも問題はあります。偉そうな人が言うのであれば確かだろう、と安易に納得すべきではないですね。やらなければいけないことは沢山あります。しかしその優先順位を誤ってはいけません。中でも労働法規を遵守するということは大切だということは言うまでもありません。私が社長であれば、この保険は払込を中止してきちんと残業代を支払いますが、この社長はどうするのでしょうか・・・

ただ、私にとっても他人事ではありません。もっと自分自身の視野を広げてアドバイスをしないと、相手の為を思ってアドバイスをしているつもりでも、的外れになっている可能性もあります。私にとっても戒めになった事例でした。

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