新潟の社労士 新島です。今日のテーマは「企業経営」です

会社は従業員に何を求めるのでしょうか。一般的には協調性や帰属意識を求める会社が多いのではないでしょうか。では従業員の方はどうでしょうか。以下は世論調査会社の調査結果についてです。
日本人の会社への帰属意識や仕事への熱意は世界最低水準――。そんな結果が、米世論調査会社のギャラップの調べで明らかになった。帰属意識や熱意が「非常にある」と判定された人の割合はわずか9%で、調査した14カ国のうち最低。4人に1人が「まったくない」とされ、職場に反感や不満を感じているという。(朝日新聞記事より抜粋)

調査結果をもう少し詳しく見てみます。仕事への忠誠心や熱意については「非常にある」が9%、「あまりない」が67%、「まったくない」が24%となっています。つまり忠誠心や熱意はほとんどない、という結果が出ています。忠誠心や熱意を求める会社は結構あると思いますので、会社の考え方と従業員の考え方にはギャップがあるようですね。

では他の国と比べてみるとどうでしょうか。同じ調査をした他国と比べてみると帰属意識や熱意が「非常にある」はシンガポールと並んで最低とのこと。ちなみに最も高いのはアメリカで「非常にある」は29%だそうです。一方、帰属意識や熱意が「まったくない」という項目では2番目に多いとのこと。最も高い国はフランスだとか。いずれにせよ、日本人の会社への帰属意識は世界中で最も低い水準にあるのは確かのようです。

しかし、日本では昔より盛んになったとはいえ、不満があれば転職するという流れは定着していません。元々終身雇用を前提とした仕組みが定着しており、近年失業率も高まり、会社を辞めることによるリスクが大きいのも確かですから。より良い職場を求めるよりも不満をもちながらも現在の職場で我慢している人が多いのではないでしょうか。

会社側では意外と帰属意識の低さや我慢して働いているという現状に気が付いていない人が多いのではないでしょうか。何も言わないから不満がないわけではありません。何も言わないから従順なわけではありません。それを勘違いすると大変なことになります。また、会社にいる間は何も言わなくて、辞めてから監督署に駆け込むケースも多いですね。ウチは安心だ、とタカをくくっていると思わぬ落とし穴があるかもしれません。